
こんにちは、モチです!
今回は、若者に人気のある職業『旅行代理店社員』について解説します。

旅行会社=華やかのイメージが強いですが、実際はどうなのか教えて頂きたいです!

そんなもち子さんの為に、今日は旅行業界のベテランにインタビューしてきましたよ。
旅行代理店(旅行会社)に勤務していると、いろんな観光地に行く機会があり、業務に『華やかさ』をイメージする方が多いと思います。
しかし、旅行代理店で働く方々の半数以上がそのイメージと反対のことをしているということが、今回のみさきさんのインタビューで判明しました。

モチさん、はじめまして。今日は業界の裏側までお話しちゃいますね。

ご協力誠に感謝致します。本日はどうぞよろしくお願いします!!

当記事では、みさきさんの今までの長年の経験をもとにした『旅行代理店の仕事内容』や『旅行代理店社員に必要なスキル』について具体的な情報をお届けしてまいります。
本やネットのまとめ情報ではなく、経験者のリアルな情報なので、信憑性が高く、非常に価値あるものと筆者は確信しております。
これから旅行会社で働こうと考えている人は、参考になるかもしれない貴重な情報を見逃さないよう、最後までお付き合いお願いします。

当記事は旅行代理店社員について、以下3つテーマに分けて解説をしてまいります。

興味があるところにクリックすると、飛ばし読みができます!

給与事情

旅行会社で働きたくても、本当に食べていけるか不安になる読者様もいるかと思うので、まずは厚生労働省やネットの口コミ情報をもとに旅行代理店社員の平均給与を算出してみました。


この平均値は、イメージとしてどうでしょうか?

企業によっては給与が多少異なるかと思いますが、私の知る限りおおむね平均はこれくらいだと思います。

昇給のイメージはどんな感じなのでしょう?

様々な旅行代理店社員さんにも聞いた話ですが、大手ほど昇給金額は少なく、中小企業ほど多い傾向はありましたね。
あれ⁉
ちょっとこの話を聞いて違和感を感じませんでしたか?
どうして有名な大手企業よりも中小企業のほうが昇給待遇が良いのかということです。気になるその詳細は、次のパートで詳しく説明していきます。
大手より中小⁉

みさきさんの話を聞いて意外だったが、大手企業よりも中小企業のほうが給与UPの待遇が良いことがあるということです。
その大きな理由は、業務内容にカラクリが潜んでいるみたいです。

どうして大手企業よりも中小のほうが給与UPが見込めるのですか?

簡潔に伝えると、業務領域の違いですね。
皆さんも想像してわかるように、某有名旅行会社と中小企業の代理店では、圧倒的なスケール差があります。規模が大きい会社は仕事を分担作業できますが、中小企業においては業務分担が不可能なケースがあります。

私が働いているところは社員たった5名の小さな会社です。そこでの業務は、以下のようにやることが多々あります。
- 他企業の営業と訪問
- 商品の紹介と提案
- 手配業務
- ビザや旅券申請
- 添乗業務
- 問屋との交渉
- 様々な書類作成
- 電話対応

これらを1人でこなすんですか?

はい。
最初は大変でしたけど、慣れたら余裕になりました♪

スーパーウーマンですね…
一方大手企業は、決められた役割が既に決まっている為、旅行業務の中でもある分野にしか特化していないのが特徴です。
つまり、大手企業と中小企業では仕事の量と業務範囲が圧倒的に違うということです。
想像して頂きたいのが、たった5人の社員で、上記仕事をこなせるスーパー社員が1人でも抜けたら、企業はどう思うでしょうか?

私なら給料を多く出してしまうかもしれません。
企業にとって人材は宝です。会社が小規模であればあるほど人材の価値は高く、会社の売上も上がれば給料アップも見込めます。
特にみさきさんは営業業務もしていたので、結果を出せば期待以上のベースアップがあったと語っています。

ある年は4万円もベースがあがったことがあります。

普通にすごいですね。
もちろん、企業によって昇給幅は異なります。しかし、みさきさんの情報によれば規模が小さな会社であればあるほど給料交渉はしやすく、昇給金額も上がりやすいというのが事実のようです。

いろんな業務も携われて、給料が多くなるのはおいしいですね♪

中小企業はブランド力はありませんが、旅行の知識や経験を大手より多く学べる場であることは間違いありませんね。
仕事内容

先ほどの解説で、大手と中小企業で給与事情が異なることは理解できたかと思います。では、記事の本題である『仕事内容』はどうなっているのでしょうか?
小さな会社で様々な経験をした、みさきさんだからこそ知っている情報もあるので、当パートはスルーしないことをおすすめします。

旅行業務は多々あることはわかりましたが、具体的にはどんなことをしているのですか?

語り始めたら1日終わってしまうかもしれませんが、端的に伝えると『数字』と『スペル』を何度も確認する作業が多いですね。
旅行代理店の現実

私も含めてですが、就活生・転職者がイメージする旅行代理店は、華型職の『企画』、『添乗』、『手配』ではないでしょうか?
実はこれらの業務すべて『めちゃくちゃ地味』です。

え~
うそでしょ!!
企画業務はある程度プランを練ることがありますが、添乗においては定番ルートの付き添いや旅程確認、手配は時間や日にち、名前のスペルチェックを繰り返すことがメインとなります。
旅程のプランや観光地の情報収集よりも、『人数』、『時間』、『数量』、『名前』の確認を血眼にやっている社員がほとんどではないかとみさきさんはおっしゃっています。

数や名前のチェックを怠ると、後々大きなトラブルに巻き込まれるので、スタッフは数字やスペルミスを絶対にしないようにしています。
添乗業務では人数確認、時間確認、名前確認をこれでもかというくらい何度も行っています。誰が何人いるのか、いつどこに待ち合わせするのかを明確にしなければ、旅程を安全に行う義務を怠り、ペナルティーを科せられるケースがあるからです。
手配においても、名前のスペルミス、人数間違い、時間間違いをしてしまうと、旅行すらできない大惨事につながることもあります。

同じような文字や数字とにらめっこする時間が非常に多いのが旅行業です。

なんか、全然イメージと違いますね。
旅行業界で華型といわれる企画業務を携わったとしても、基本は恒例の旅行パンフレットや予算内での旅程計画が多く、自分が理想とするプランを組めることなんてそうそうありません。

自分が知らない土地について聞かれたときは、ネット情報やガイドブックを見て、さぞ行ったことがあるかのようにふるまうこともあります。
基本、旅行代理店社員は忙しく、業務で様々な地域に行っているのは添乗員くらいです。社員の8割以上はデスクワークで、旅行なんて休み以外行く暇がないです。
なので、お客様に知らない土地について質問されたら、もうそれはドキドキものです。なぜなら旅行のプロフェッショナルが詳しく答えられなければ、お客様は離れていってしまうのですから。

おっしゃるように、旅行業は華やかではなさそうですね。

そうですね。
しかし、旅行会社で勤めているとお得なこともありますよ♪
旅行代理店社員は旅で得をする

みさきさんいわく、旅行会社に勤めている方は旅行で大きな恩恵を受けることもあるようです。
多忙でなかなか旅行する暇がないかもしれませんが、がっつり休みをもらった時は、激安で快適な旅行をすることができる特典があります。

例えばどんなものがあるのでしょう?

モニター旅行というものが業界ではあります。
旅行代理店社員限定で、これからオープンするホテルや旅行プランを、無料や激安価格で体験できるという話が業界人に舞い降りてきます。
例えば、普段体験することができない超高級リゾートホテルの宿泊、新型飛行機の運転シュミレーター体験、超高級レストラン利用など、これらをすべて無料、もしくは企業負担でできることがあります。

空港のファーストクラスラウンジなども使えたりしますよ!

どこかのブルジョアにでもなった気分ですね。
モニター旅行以外にも、旅行業界に携わっている人限定で航空券の激安チケット、会社を通して宿や陸路移動の交通費が安くなるような手配もすることが可能となります。
旅行業務自体はとても地味な作業ではありますが、旅行をコスパよくできるのは、豊富な知識と経験からなせる旅行会社員の特権だと私は思います。
旅行業務は企業で違う
旅行業に詳しくない方が、旅行代理店で働いた後に発覚するのが、『業務領域』の違いです。
旅行業にはいろいろな仕事がありますが、この業務領域を理解せずに入社すると、あなたが想像していた仕事ができずに、転職してしまうなんてこともあり得ます。

特に、企画業務をしたい方は要注意です!
企業によって業務領域が決まっているとは、一体どういう意味なのかをまずは説明をしていきます。
旅行代理店(ここでは旅行業者という)には以下のような『登録区分』というものが設定されており、旅行業者が登録した種類で行える仕事が異なってくるのです。

【旅行業務の範囲】
第1種登録: 受注、企画においてすべての手配が可能
第2種登録: 受注と国内旅行の企画手配が可能
第3種登録: 受注旅行(顧客からの依頼で手配する)のみの扱い

簡単にまとめると、資産がない会社は企画業務ができないということですね。
しかし、資産があってもあえて企画を行わない企業も存在しています。企画は当たりはずれのリスクが大きいので、それを避ける堅実な会社もあります。

なるほど~
これを知らずに入社してしまう人は多そうですね。
もちろん、入社して早々企画部門担当はほとんどないかと思いますが、将来企画部門で活躍したいと考えているのであれば、応募企業が第何種であるのかよく確認してみましょう。
それ以外にも、旅行代理店は店舗によって特化するものが異なります。一例をあげると、、、
- インバウンド(国内旅行)
- 出張手配(B to B)
- アウトバウンド(海外旅行)
- クルーズ旅行
- マニアック旅行 など
列挙したらきりがないほど、企業によって専門分野が違います。具体的な仕事で共通していることは先ほど伝えた『数』や『スペル』の確認作業ですが、企業のやり方次第では旅行会社でも全く違う仕事になるのが魅力とみさきさんは語っていました。
上記例でいえば、出張手配会社は企業同士のやり取りとなるので、『営業』をメインとする業務スタイルです。一方、クルーズ旅行会社は個人や団体観光客の手配を主とする『観光』目的の業務をする旅行代理店(会社)であるため、企業によって客層や業務内容が大きく違うのがわかると思います。

旅行会社でも業務内容の違いが結構ありそうですね。企業の仕事と自分のやりたいことをマッチングさせるために、どんなことを配慮すればいいのでしょうか?

企業に入社する前に、以下4項目を確認してみるといいかと思います。
- 第何種の企業
- 何に特化している
- 業務の流れ
- 顧客層(個人、団体、企業)
あなたがこれから働こうとしている応募企業はどの範囲まで仕事ができるのか、どこに強みがあるのか、業務はどんなことしているのか、客層は個人か企業どちらをメインで行っているのか、企業情報を自分のやりたいことと照らし合わせてみることで、理想と現実のギャップを限りなく小さくすることができます。
具体的仕事内容は企業によって多少違いはありますが、旅行業界で共通している仕事は『細かいことを何度も確認する』という、華々しいイメージとはかけ離れ、どちらかというと質素な作業をする職業と理解して頂ければと思います。

理想と現実は違うとは、まさにこのことかもしれませんね。
求められる人材

旅行代理店の現実を理解したところで、それでも旅行会社で働きたいと考えている方は、このパートを見逃さないで頂きたいです。
なぜなら、旅行代理店社員には『絶対的に必要なもの』が2つ存在しており、それを満たしていない人は継続困難であるとみさきさんは語っているからです。

今から伝える2つが不足している人は、旅行代理店で勤務していくのは大変だと思います。

それは、英語とか旅行の資格の話でしょうか?

いえ、違います。
大切なのは人生で形成される2つのスキルです。
- コミュニケーション能力
- リサーチ力
上記2つのスキルが卓越していれば、旅行知識のない未経験者でも、技能的スキルや資格がなくても、旅行業界で働いていけるとみさきさんはおっしゃっています。
では、一体どうしてこの2つのスキルを重視しているのかを次のパートで確認していきましょう。
コミュニケーション能力

一般的にコミュニケーション能力が高いは、『話題が豊富で会話上手である』とイメージされがちですが、旅行業においてのコミュ力の高さは話が上手い以外に『理解力』と『伝え方』も非常に重要になってきます。
例えば、お客様に『おすすめのホテルを予約して下さい』と指示されたら、あなたはどのように予約しますか?

ガイドブック、口コミ、ネットの情報で評価が高いものをすすめますね。

それだけでは情報が多すぎて、お客様の要望を解決するまでに何十分、下手すれば何時間もかかってしまいますよ。
旅行をしたいお客様は何かしらの目的があります。おすすめのホテルとは『お客様にとって都合がいいホテル』ということです。都合がいいホテルの定義とは、
- どこをメインで観光するのか
- 予算はどれくらいか
- 交通の便は良いか
- 治安はどうか
- 母国語対応可能か
- 食事はどんなものか
- ホテルのサービス範囲
- 利用者の評価 など
上記のような条件を考えて顧客にクロージングをして、あなたの知識と様々な情報網を使ってはじめてお客様に商品を提案することができます。

つまり、相手が何を求めているか『理解』するアクションを起こし、求めているものを上手く『伝える』ことが大切ということなのですね?

その通りです!
それができない人はいつまでたっても定時に帰ることができません。
お客様が意図することはとても抽象的で適当なものが多いです。その情報を短い時間で具体的にするためには、あなたがクロージングをしていかなければいけません。
旅行会社で会話が上手い人はもちろん重宝されますが、何よりもお客様が何を求めているかを引き出して具体的に提案するコミュニケーション能力が社員に求められています。
そして、そのコミュニケーション能力は入社前の段階で既に測られています。

コミュニケーション能力は面談で判断されるので、自信がない方は当ブログの『面接対策』記事で攻略法を学んでおきましょう。
当ブログでは、職業記事以外にも『面接対策』の記事も解説しています。面接官の求めているものを『理解』して『上手く伝える』方法をここで学んでおきましょう!

コミュ力って会話が上手くできるだけではないんですね。
リサーチ能力

リサーチ能力はどの職業でも求められるものではありますが、旅行業界では情報のアップデートスピードがかなり速い業界です。
航空業、宿泊業、交通関連、飲食業、スポーツ業、エンタメなど、旅行には様々な情報収集が必要になってきます。
例えば、この時期は〇〇のイベントがあるから早めに予約しておかなければ席がなくなる、今航空券でこんなお得なセールがある等、いち早くお得な有力情報をお客様に伝えることが顧客獲得とリピートにつながっていくのだとみさきさんは語っています。

確かに有力情報を教えてくれる企業は利用したくなりますね。

小さな企業が生き残るには大手にはない情報を提供するしかないので、常にリサーチを怠ることはありませんよ!
有力情報以外にも、どのフライトを使えば待ち時間を少なくして乗り継ぎできるか、どういうルートでまわると効率的に旅行できるかなど、端末を使ってリサーチするようです。
また、海外に渡航する方のビザについての情報も日々変わっているので、渡航依頼が来たら必ずチェックして、安心して旅程ができるように心がけているようです。

旅行って気軽にしていたけど、本当は入念な準備がされているんですね。
旅行代理店の競争は時代とともにどんどん激しさを増しています。特にコロナの影響で大打撃を受けた業界でもあるので、どの企業よりも多くの情報を早く得られた会社は、顧客の求めているものを満たすことができたのではないかと推測できます。
旅行代理店にとって、情報は生命線と言えるくらい重要なものなので、リサーチ能力が高い人は会社でも重宝されます。

逆にリサーチ能力が低い人は、いつまでたっても顧客の要望を満たせず、信頼を失うという結果を生み出してしまうこともあります。
現代の若者はいろんなことを調べる癖があるかと思いますが、普段あまり調べものをしないで適当に過ごしている方は、旅行業界に入る前までに調べ癖をつけておくことをおすすめします。
お客様があなたにお金を払うのは、あなたを旅行のプロフェッショナルと信じて対価を払っているのです。すぐ検索できるような情報は、別にあなたでなくても、ブログやガイドブックの情報で事足りてしまいます。
プロにしか持つことができない情報に価値があり、その情報を得るためにはリサーチ力は欠かせないスキルだと思います。
まとめ
今回の職業テーマ、『旅行代理店社員』はいかがだったでしょうか?
当記事を通して、旅行代理店の業務内容や社員として求められるものがイメージできたのであれば、筆者は大変うれしく思います。

最後におさらいをしましょう!
旅行代理店には企業によって様々な専門分野があり、業務内容も店舗で異なります。しかし、どの旅行代理店においても共通、且つ重要な仕事があります。

それが、確認作業でしたね!
旅行業務は主に、『スペル』や『数』の確認を何度も行うこととなります。その例としては、
- 顧客名
- 人数
- 便名
- 時間
- 名称
- 金額
- 泊数
- 連絡先 など
例を挙げればきりがないほど、細かい情報を何度もチェックするのが旅行業のメイン業務だと筆者は感じました。
また、それらの情報処理をこなしていくには、以下2つの重要スキルがないと成り立たないということをみさきさんが教えてくれました。
- コミュニケーション能力
- リサーチ力
旅行代理店社員は未経験でもできる仕事ですが、技能的な部分よりも『人間性』を重視したスキルが必要な職業であることがわかりました。
旅行を楽しんでもらうには入念な準備を要しますが、そのミッションを完遂できれば、あなたは旅行のプロフェッショナルとなっているでしょう。
ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました。また、次回の記事で皆様にお会いできることを楽しみにしております!

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